| name | jujutsu-workflow |
| description | Jujutsu (jj) バージョン管理システムのワークフロー支援。 PR作成、ブックマーク管理、Change IDベース管理をサポート。 |
| allowed-tools | Bash, Read, Grep, Glob |
Jujutsu Development Workflow for AI Agents
バージョン管理システム: Jujutsu (jj)
- 優先使用: Jujutsu (jj) コマンドを使用
- Git経由: Gitコマンドは使わず、jj経由でGit操作
- 基本哲学: Change IDで管理、ブックマークは必要な時だけ
Jujutsuの基本原則
Change IDベース管理
- すべてのコミットはChange IDで一意に識別
- ブックマーク(ブランチ名)は「名札」程度の位置づけ
- Gitの「すべてのコミットがブランチに属する」という考えから脱却
ブックマークが必要なタイミング
- リモートプッシュ時(最重要)
- チーム共有時
- 長期参照ポイント
ブックマークが不要なタイミング
- 個人で作業中
- 実験的な変更
- 一時的な作業
ドキュメント作成のルール
原則:実コードとドキュメントの二重管理を避ける
重要: ドキュメントにコードを記述することはできるだけ避ける
理由:
- 実コードとドキュメントの二重管理になる
- コードが変更されてもドキュメントが更新されない
- メンテナンスコストが増加
- 不整合が発生しやすい
推奨アプローチ:
- コード例は最小限に: 実行可能なコードはドキュメントに書かず、実ファイルへの参照を使用
- 概念の説明に集中: ドキュメントは「なぜ」「どうやって」を説明
- 参照を活用: 実コードへのリンクや参照を使用
- 使用例は別ファイル: サンプルコードは
examples/ディレクトリに配置
OK例(ドキュメント):
## ユーザー認証
詳細な実装は `src/auth/authenticator.py` を参照してください。
### 使い方
使用例は `examples/auth_usage.py` を参照してください。
NG例(ドキュメント):
## ユーザー認証
以下のコードを使用してください:
\`\`\`python
def authenticate(username, password):
# ... 30行のコード ...
\`\`\`
例外(許可されるケース):
- コマンドラインの使用方法(短い1-2行のコマンド例)
- 設定ファイルの構造(小さなサンプル)
- APIエンドポイントの呼び出し例(curlコマンドなど)
AIエージェントの必須動作ルール
📂 ユーザーにコマンド実行を依頼する際の作業ディレクトリ確認(必須)
原則: ユーザーにコマンド実行を依頼する際は、必ず以下の手順を踏むこと
必須手順
現在の作業ディレクトリを確認
- ユーザーのターミナル出力から現在位置を把握
- または、確認コマンドを提示
正しいディレクトリへの移動コマンドを最初に提示
- プロジェクト固有の操作は、そのプロジェクトディレクトリで実行
- 移動コマンドを明示的に提示
実際の操作コマンドを提示
- ディレクトリ移動後の操作を提示
推奨フォーマット
# Step 0: 作業ディレクトリに移動(最優先)
cd /Users/username/Work/git/project-name
# Step 1: 認証確認
gh auth status
# Step 2: 以降の操作...
悪い例(NG)
# ❌ ディレクトリ移動を省略
jj bookmark list
gh pr create --head feature --base main
問題点:
- ユーザーが間違ったディレクトリで実行するリスク
- コマンドが失敗する可能性が高い
- やり直しが必要になる
良い例(OK)
# ✅ ディレクトリ移動を明示
# Step 0: jujutsu-practiceディレクトリに移動
cd /Users/arigatatsuya/Work/git/jujutsu-practice
# Step 1: ブックマーク確認
jj bookmark list
# Step 2: PR作成
gh pr create --head feature --base main
理由:
- ユーザーが正しい場所で実行できる
- コマンドの成功率が高まる
- やり直しが不要
🚨 PR作成タスクの実行順序(厳守)
PR作成を指示された場合、必ず以下の順序で実行してください:
✅ 必須実行: PR作成前のチェックリスト
重要: 以下のStepをスキップせず、順番通りに実行すること。
# Step 0: 作業ディレクトリに移動(最優先)
cd /path/to/project-directory
# Step 1: GitHub認証確認(スキップ禁止)
# ⚠️ 注意: AIエージェントは実行しません。ユーザーに確認を依頼します。
# 理由: Cursorのサンドボックス環境では gh auth status が失敗する場合があるため
# ユーザーに以下のコマンド実行を依頼:
# gh auth status
# ↓ エラーが出た場合は、以降の手順を中断し、ユーザーに認証対処を依頼
# Step 2: ブックマーク確認
jj bookmark list
# Step 3: リモート同期確認
jj git fetch
# Step 4: プッシュコマンドを提示(実行しない)
# 以下のコマンドをユーザーに提示するのみ:
# jj git push --bookmark BOOKMARK_NAME --allow-new
# Step 5: PR作成コマンドを提示(実行しない)
# 以下のコマンドをユーザーに提示するのみ:
# gh pr create --head BOOKMARK_NAME --base main \
# --title "タイトル" --body "説明"
# Step 6: CI監視コマンドを提示
# gh pr checks <pr-number>
重要: GitHub認証確認、Git push、PR作成はAIエージェントが実行しません。ユーザーが手動で実行してください。必要なコマンドを提示するのみです。
❌ 禁止事項
ユーザーにコマンド実行を依頼する際、ディレクトリ移動を省略すること
- 「現在のディレクトリで実行してください」は不十分
- 必ず
cd /path/to/projectを明示
Step 1(GitHub認証確認)をスキップすること
- 「後でエラーが出たら対処する」は禁止
- 必ず最初にユーザーに
gh auth statusの実行を依頼
GitHub認証関連コマンドをAIエージェントが実行すること
gh auth status,gh auth login,gh auth setup-gitなどは実行しない- 理由: Cursorのサンドボックス環境では失敗する場合がある
- 必ずユーザーに実行を依頼
エラーを無視して次の手順に進むこと
- Step 1でエラーが出たら、即座に中断
- ユーザーに認証対処を依頼
チェックリストの順序を入れ替えること
- 「効率化」のための順序変更は禁止
- 記載された順序には理由がある
Git pushやPR作成を実行すること
- AIエージェントはpush/PR作成コマンドを実行しない
- 必要なコマンドを提示するのみ
⚠️ 作業開始前の必須手順(全作業共通)
原則:作業前の状態同期と未コミット変更の確認
重要: どんな作業でも、開始前に必ずローカルとリモートの状態を同期・確認する
特に重要: jj new mainの前に必ず未コミット変更を確認する
理由:
- ローカルとリモートの差異 = 認識のズレ
- 認識のズレ = 意図せぬ不具合の温床
- コンフリクト、重複作業、論理的矛盾を予防
- 未コミット変更がある状態で
jj new mainすると変更が見えなくなる
危険なパターン(避けるべき)
# PRマージ後、未コミット変更の存在を忘れて...
jj git fetch
jj bookmark set main -r 'main@origin'
jj new main # ❌ 未コミット変更が見えなくなる!
必須チェック手順
# Step 1: 未コミット変更の確認(最優先・最重要)
jj status
# 判断:
# - 未コミット変更なし → Step 2へ
# - 未コミット変更あり → **先にコミットまたは保護**(Step 6を参照)
# Step 2: リモートの最新状態を取得(必須)
jj git fetch
# Step 3: ローカルのmainに未プッシュのコミットがあるか確認(重要!)
jj log -r 'main & ~main@origin'
# 出力がある場合 = 未プッシュのコミットがある → Step 4-A へ
# 出力がない場合 = 安全 → Step 4-B へ
Step 4-A: 未プッシュのコミットがある場合の対処
⚠️ 警告: jj bookmark set main -r 'main@origin' を実行すると、
未プッシュのコミットへの参照が失われます(孤立します)。
対処法1: 一時ブックマークで保護してから更新(推奨)
# 未プッシュのコミットを一時ブックマークで保護
jj bookmark create main-local-work -r 'main'
# その後、mainを最新に更新
jj bookmark set main -r 'main@origin'
# 後で必要に応じて統合
# jj rebase -d main -s 'main-local-work'
# jj bookmark set main -r 'main-local-work'
# jj bookmark delete main-local-work
対処法2: プッシュしてから同期
# 未プッシュのコミットをプッシュ
jj git push --bookmark main
# リモートを再取得
jj git fetch
# mainを更新(この時点で安全)
jj bookmark set main -r 'main@origin'
対処法3: 不要なコミットの場合
# 未プッシュのコミットが不要な場合のみ実行
jj bookmark set main -r 'main@origin'
# 孤立したコミットは後から `jj log -r 'all()'` で確認可能
Step 4-B: 未プッシュのコミットがない場合(安全)
# リモートが進んでいる場合、mainを更新
jj bookmark set main -r 'main@origin'
# 確認
jj log -r 'main' -r 'main@origin'
Step 5: 作業継続(2つの方法)
方法A: 既存ワーキングコピーをリベース(推奨・未コミット変更がある場合)
# 現在のワーキングコピーを最新mainの上に移動
jj rebase -d main
方法B: 新規ワーキングコピー作成(未コミット変更がない場合のみ)
# 未コミット変更がないことを確認済みの場合のみ
jj new main
Step 6: 未コミット変更がある場合の対処(Step 1で検出された場合)
⚠️ 警告: 未コミット変更を無視してjj new mainすると、変更が見えなくなる
対処法1: すべてコミット(推奨)
# すべての変更をコミット
jj commit -m "作業内容の説明"
対処法2: 一時ブックマークで保護
# 現在の状態を一時ブックマークで保護
jj bookmark create temp/work-in-progress -r '@'
# その後、Step 2から継続
対処法3: 不要な変更の場合
# 確実に不要な場合のみ破棄
jj restore <file>
AIエージェントの動作ルール(作業開始時)
PRマージ後の同期タスク時:
- 必ず
jj statusを最初に実行して未コミット変更を確認 - 未コミット変更がある場合:
jj new mainを実行しない- ユーザーに確認を求める
- または
jj rebase -d mainを提案
禁止事項:
- ❌ 未コミット変更の確認なしで
jj new mainを実行 - ❌ ユーザーに確認せず未コミット変更を無視
推奨パターン:
# PRマージ後は常にこのパターン
jj status # 確認
jj git fetch
jj bookmark set main -r 'main@origin'
jj rebase -d main # newではなくrebase
ベストプラクティス
原則:
- ✅ mainは常にリモートの追跡用(ローカルでmainに直接コミットしない)
- ✅ ローカルの作業は別のブックマークで行う
- ✅ 未プッシュのコミットがある場合は必ず保護してから更新
- ✅ 作業開始前に必ず
jj git fetchを実行 - ✅ ユーザーから「マージ済み」「プッシュ済み」の情報を受け取ったら必ず同期確認
悪い例:
# ❌ Bad: mainで直接作業
jj edit main
# コミット...
良い例:
# ✅ Good: mainから派生した別のブックマークで作業
jj new main
# 作業...
jj commit -m "実装完了"
jj bookmark create feature/my-work -r '@-'
新機能開発開始時
# 必ずmainから新しい作業を開始
jj new main
# または既存ブックマークから
jj new feature/existing
ブランチ命名規則:
feature/機能名- 新機能fix/バグ名- バグ修正refactor/対象- リファクタリングdocs/対象- ドキュメント更新
コミット時の必須パターン
チーム開発(PR作成予定):
# 開発作業
jj commit -m "機能説明"
# 必ずこのパターンでブックマーク作成
jj bookmark create feature-name -r '@-'
個人開発(実験中):
jj commit -m "実験的変更"
# ブックマーク不要、Change IDで管理
PR作成前のチェックリスト
必須: 以下のチェックを順番に実行
Step 0: 未コミット変更の確認(最優先・追加ルール)
重要: PR作成前に必ず未コミットの変更を確認し、意図的に管理する
# 未コミット変更の確認(最優先)
jj status
# 出力例1: 未コミット変更なし(安全)
# Working copy changes:
# (empty)
# 出力例2: 未コミット変更あり(要確認)
# Working copy changes:
# M file1.md
# A file2.java
未コミット変更がある場合の対処:
⚠️ 警告: 未コミット変更がある状態で一部だけコミット・PR作成すると、
後でjj new mainした時に残りの変更が見えなくなるリスクがある
対処法1: すべてコミットしてPRに含める(推奨)
# すべての変更を1つのコミットに
jj commit -m "完全な変更セット"
jj bookmark create feature/xxx -r '@-'
対処法2: 段階的にコミット(一部だけPR)
# ステップ1: 一時ブックマークで全変更を保護
jj bookmark create temp/all-changes -r '@'
# ステップ2: 新しいワーキングコピーで一部だけコミット
jj new '@-'
jj restore --from temp/all-changes file1 file2
jj commit -m "一部の変更"
jj bookmark create feature/part1 -r '@-'
# ステップ3: 残りは後でコミット
jj edit temp/all-changes
# 後で必ずコミット!
対処法3: 不要な変更の場合
# 確実に不要な場合のみ破棄
jj restore <file>
Step 0: 作業ディレクトリに移動
⚠️ 重要: コマンド実行前に必ず正しいプロジェクトディレクトリに移動してください。
# プロジェクトディレクトリに移動
cd /Users/username/Work/git/project-name
# 現在のディレクトリを確認
pwd
Step 1: GitHub認証確認
⚠️ 重要: AIエージェントはgh auth statusを実行しません。ユーザーが手動で実行してください。
理由: Cursorのサンドボックス環境ではgh auth statusが失敗する場合があります。
ユーザーに依頼するコマンド:
# 認証状態を確認
gh auth status
# 認証が失敗している場合はログイン
# 通常のターミナル(Terminal.app、iTerm2等)で実行推奨
gh auth login
gh auth setup-git # 必須
重要: gh auth login だけでは不十分です。必ず gh auth setup-git を実行してください。
これによりGitのHTTPS認証がGitHub CLIの認証情報を使用するようになります。
Step 2: ブックマーク確認
# 現在のブックマーク一覧を確認
jj bookmark list
# ブックマークがなければ作成(必ず -r '@-' を使用)
jj bookmark create feature-name -r '@-'
Step 3: リモート同期確認
# リモートの最新状態を取得
jj git fetch
# 履歴を確認
jj log
Step 4: プッシュ(新規ブックマークの場合)
AIエージェントは実行しません。以下のコマンドをユーザーに提示するのみ:
# 新規ブックマークは --allow-new が必須
jj git push --bookmark feature-name --allow-new
Step 5: PR作成(Jujutsu特有の注意)
AIエージェントは実行しません。以下のコマンドをユーザーに提示するのみ:
# --head と --base を明示的に指定(必須)
gh pr create --head feature-name --base main \
--title "タイトル" \
--body "説明"
Jujutsu特有の問題: gh pr create をオプションなしで実行すると
could not determine the current branch エラーが発生します。
Jujutsuは .git/HEAD を更新しないため、必ず --head --base を指定してください。
--bodyオプションの推奨形式
推奨: シンプルな形式
マルチラインのPR説明文でも、直接文字列で渡すことを推奨します:
gh pr create --head feature-name --base main \
--title "タイトル" \
--body "## Summary
変更の概要
## Test plan
- [x] テスト完了
🤖 Generated with [Claude Code](https://claude.com/claude-code)"
非推奨: ヒアドキュメント使用
cat <<'EOF'の使用は以下の理由で非推奨です:
- 終了マーカーの位置問題:
EOFは行の先頭に配置が必要 - インデント問題: インデントされた
EOFは認識されない - 複雑さの増加: 不要なサブシェル実行が発生
❌ 失敗するパターン:
# EOF がインデントされているため失敗
gh pr create --body "$(cat <<'EOF'
内容
EOF
)"
✅ 正しいパターン(使用する場合):
# EOF を行の先頭に配置
gh pr create --body "$(cat <<'EOF'
内容
EOF
)"
Step 6: CI/CD監視
AIエージェントは実行しません。以下のコマンドをユーザーに提示するのみ:
# PR番号を確認
gh pr view <pr-number>
# CI状態を監視
gh pr checks <pr-number>
# CIが完了するまで定期的にチェック
AIエージェントの動作ルール(PR作成時)
PR作成タスク時:
- 必ず
jj statusを最初に実行して未コミット変更を確認 - 未コミット変更がある場合:
- AIエージェントは自動判断せず、ユーザーに確認を求める
- 確認なしでPR作成コマンドを実行しない
禁止事項(NG例):
# 未コミット変更を無視してPR作成 ❌
jj bookmark create feature/xxx -r '@-'
推奨パターン(OK例):
# 未コミット変更を確認してユーザーに報告 ✅
jj status
# → "未コミットの変更が13個のファイルにあります。これらをどうしますか?"
📋 PRレビュー修正時の必須確認ルール
原則:コミット方法はユーザーが選択
状況: PRレビューで指摘を受けて修正を適用した後
AIエージェントは必ずユーザーに確認(自動判断禁止):
⚠️ レビュー修正が完了しました。コミット方法を選択してください:
A) 既存のコミットに統合(squash)
メリット: PRの履歴がクリーン(1コミット)
デメリット: force pushが必要
実行コマンド:
jj squash -m "fix: レビュー指摘事項を修正"
jj git push --bookmark BOOKMARK_NAME
B) 新規コミットとして追加(推奨)
メリット: force push不要、レビュー履歴が残る
デメリット: PRが複数コミットになる
実行コマンド:
jj commit -m "fix: レビュー指摘事項を修正"
jj git push --bookmark BOOKMARK_NAME
どちらを選択しますか?(デフォルト: B)
AIエージェントの禁止事項
❌ ユーザー確認なしでjj squashを実行すること
❌ ユーザー確認なしでforce pushが必要な操作を実行すること
❌ 自動的にコミット方法を判断すること
推奨パターン
一般的なプロジェクト: オプションB(新規コミット)
- レビュー履歴が透明
- force push不要(安全)
- 誤操作のリスクが低い
クリーンな履歴を重視: オプションA(squash)
- 1 PR = 1コミット
- ただしforce pushが必要
- リベース戦略を採用しているチーム向け
チーム規約がある場合
プロジェクトやチームで明確な規約がある場合は、その規約に従ってください:
- squash必須のチーム → オプションA
- コミット履歴重視のチーム → オプションB
- 規約不明 → ユーザーに確認
実装例
オプションA: squashの場合
# 1. 修正を既存のコミットに統合
jj squash -m "fix: レビュー指摘事項を修正
- Markdown Lint修正
- セキュリティ注意追加
- テストコード改善"
# 2. force pushでPR更新
jj git push --bookmark feature/xxx
オプションB: 新規コミットの場合
# 1. 修正を新規コミットとして作成
jj commit -m "fix: レビュー指摘事項を修正
- Markdown Lint修正
- セキュリティ注意追加
- テストコード改善"
# 2. 通常のpushでPR更新
jj git push --bookmark feature/xxx
よくある質問
Q: squashとcommitの違いは?
A:
jj commit: 新しいコミットを作成(親コミットの上に積む)jj squash: 現在の変更を親コミットに統合(履歴を書き換える)
Q: force pushはなぜ必要?
A: jj squashは既存のコミットを書き換えるため、リモートの履歴と異なる履歴になります。そのため、--force相当のpushが必要です。
Q: どちらが良いの?
A: プロジェクトによります:
- GitHub Flowスタイル: オプションB(新規コミット)が一般的
- リベースワークフロー: オプションA(squash)が一般的
- 迷ったら: オプションB(新規コミット)が安全
PRレビューコメントの確認方法
重要: PRレビューコメントの確認は gh コマンドを優先使用してください。
理由:
- Web UI(GitHub)では長いコメントが省略される可能性がある
- コメント全文を確実に取得できる
- コマンドライン上で効率的に確認・コピーできる
推奨コマンド:
# PRの全体的なレビュー状態を確認
gh pr view <pr-number>
# レビューコメントの詳細を確認(全文取得)
gh pr view <pr-number> --comments
# 特定のレビューのコメントを表示
gh pr review <pr-number>
# JSONフォーマットで詳細を取得(プログラム処理用)
gh pr view <pr-number> --json reviews,comments
使用例:
# 最新のPRのレビューコメントを確認
gh pr view 123 --comments
# 出力例:
# ---
# reviewer: alice
# status: CHANGES_REQUESTED
#
# セキュリティ上の懸念があります。
# パスワードのバリデーションが不十分です。
# 以下の点を修正してください:
# 1. 最小文字数を8文字以上に
# 2. 特殊文字を最低1つ含める
# 3. ...(全文が表示される)
AIエージェントの動作ルール:
- レビューコメント確認時は
gh pr view <pr-number> --commentsを優先 - Web UIのURLを提示する前に、まず
ghコマンドで内容を取得 - 長いコメントでも確実に全文を読み込んで対応
禁止事項:
- ❌ Web UIのみに頼ってレビューコメントを確認
- ❌ コメントが省略されていることに気づかず対応
GitHub統合とトラブルシューティング
このセクションでは、JujutsuとGitHub/GitHub CLIを統合する際によく発生する問題と解決策を説明します。
GitHub認証問題
問題1: could not read Username for 'https://github.com'
エラー全文:
Error: Git process failed: External git program failed:
fatal: could not read Username for 'https://github.com': Device not configured
原因:
- HTTPS経由でリポジトリが設定されている
gh auth loginを実行しただけでは、GitのHTTPS認証には反映されない- Git credential helperが正しく設定されていない
解決方法:
# 1. GitHub CLIで認証
gh auth login
# 2. Git credential helperを設定(必須)
gh auth setup-git
# 3. 認証状態を確認
gh auth status
# 出力に "✓ Logged in to github.com" が表示されることを確認
# 4. 再度プッシュを試行
jj git push --bookmark feature-name --allow-new
重要: gh auth setup-git は、~/.gitconfig に以下の設定を追加します:
[credential "https://github.com"]
helper =
helper = !/path/to/gh auth git-credential
これにより、GitのHTTPS認証がGitHub CLIの認証トークンを使用するようになります。
🔧 Cursor環境での特別な対処法
問題: AIエージェントがCursor内でgh auth loginを自動実行しようとすると、環境によってはTLS証明書エラーが発生する場合があります。
エラー例:
failed to authenticate via web browser:
Post "https://github.com/login/device/code":
tls: failed to verify certificate: x509: OSStatus -26276
原因:
- Cursorのサンドボックス環境での証明書検証の制約
- macOSのキーチェーンへのアクセス制限
- ブラウザベースの認証フローが動作しない場合がある
重要: AIエージェントは認証コマンドを実行しません。認証が必要な場合は、ユーザーがCursor内のターミナルまたは通常のターミナルアプリで手動で実行してください。Cursor内のターミナルでも、ユーザーが手動で実行する場合は問題なく動作する場合がほとんどです。
解決方法:
方法1: Cursor内のターミナルまたは通常のターミナルアプリで実行
# Cursor内のターミナルまたはTerminal.app、iTerm2等で実行
gh auth login
gh auth setup-git
# 完了後、認証状態を確認
gh auth status
注意: Cursor内のターミナルでgh auth loginが失敗する場合は、通常のターミナルアプリ(Terminal.app、iTerm2等)で実行してください。
方法2: Personal Access Tokenを使用
# 1. GitHubでトークンを生成
# https://github.com/settings/tokens
# スコープ: repo, workflow, read:org
# 2. 通常のターミナルでトークンで認証
echo "YOUR_TOKEN_HERE" | gh auth login --with-token
gh auth setup-git
方法3: SSHに切り替え
# リモートURLをSSHに変更(SSH鍵設定済みの場合)
git remote set-url origin git@github.com:username/repo.git
# プッシュ時にパスワード不要
jj git push --bookmark feature-name --allow-new
HTTPS vs SSH
HTTPS(デフォルト):
gh auth setup-gitが必要- トークンベースの認証
- ファイアウォール越しでも動作
- Cursor環境(サンドボックス)では認証に工夫が必要な場合がある
SSH(代替案):
- SSH鍵の設定が必要
- パスワード不要
- Cursor環境でも問題なく動作
GitHub CLI と Jujutsu の統合問題
問題2: could not determine the current branch
エラー全文:
could not determine the current branch: could not determine current branch:
failed to run git: not on any branch
原因:
- GitHub CLI (
gh pr create) は.git/HEADを読んで現在のブランチを判断 - Jujutsuは Change IDベースで管理しており、
.git/HEADを特定のブランチに向けない - Jujutsuの working copy (
@) は常に "detached HEAD" 状態に相当
解決方法:
# ❌ これはエラーになる
gh pr create
# ✅ --head と --base を明示的に指定
gh pr create --head docs/feature-name --base main \
--title "タイトル" \
--body "説明"
背景知識:
- Git: ブランチベース管理 → すべてのコミットはブランチに属する
- Jujutsu: Change IDベース管理 → ブックマークは「名札」程度
この思想の違いにより、GitHub CLIのような「Gitを前提とした」ツールとの統合時には注意が必要です。
プッシュ時のよくあるエラー
問題3: Refusing to create new remote bookmark
エラー全文:
Error: Refusing to create new remote bookmark docs/feature-name@origin
Hint: Use --allow-new to push new bookmark.
Use --remote to specify the remote to push to.
原因:
- 新しいブックマークをリモートにプッシュする際の安全機構
- 誤って新しいブランチを作成するのを防ぐ
解決方法:
# 新規ブックマークには --allow-new を付ける
jj git push --bookmark feature-name --allow-new
問題4: 既存ブックマークの更新
# 既存のブックマークを更新する場合は --allow-new 不要
jj git push --bookmark feature-name
CI/CD監視のベストプラクティス
PR作成後の必須確認
# 1. PR詳細を確認
gh pr view <pr-number>
# 2. CI/CDの状態を確認
gh pr checks <pr-number>
# 出力例:
# CodeRabbit pending 0 Review in progress
# Tests success ✓ All tests passed
CI完了まで監視する理由
- CI失敗時は即座に修正が必要
- レビュワーはCI成功を待ってからレビュー開始
- 自動マージ設定がある場合、CI成功が必須
定期的な確認コマンド
# 10秒おきにCI状態を確認(シェルループ)
while true; do
gh pr checks <pr-number>
sleep 10
done
エラーパターン早見表
| エラーメッセージ | 原因 | 解決方法 |
|---|---|---|
could not read Username for 'https://github.com' |
Git credential helper未設定 | gh auth setup-git 実行 |
could not determine the current branch |
JujutsuはHEADを更新しない | gh pr create --head X --base Y |
Refusing to create new remote bookmark |
新規ブックマークの安全機構 | --allow-new フラグ追加 |
Commit XXX is immutable |
リモートコミットの変更試行 | jj new <target> で新規作成 |
Warning: Target revision is empty |
空コミットにブックマーク作成 | jj commit 後に jj bookmark create -r '@-' |
There are unresolved conflicts |
コンフリクト未解決 | jj resolve または手動編集 |
トラブルシューティングフローチャート
PR作成時にエラー発生
↓
認証エラー?
YES → gh auth setup-git → 再試行
NO → ↓
↓
ブランチ判定エラー?
YES → --head --base を追加 → 再試行
NO → ↓
↓
プッシュエラー?
YES → --allow-new を追加 → 再試行
NO → ↓
↓
その他のエラー → jj op log を確認 → jj op undo で戻る
マージ(複数親コミット作成)
# 2つのブランチをマージ
jj new branch-a branch-b
# コンフリクトが発生したら
jj resolve # 対話的解決
# または手動編集
vim <conflicted-file>
jj commit -m "merge: branch-aとbranch-bを統合"
jj bookmark create merged-feature -r '@-'
リベース
# 特定のコミットを別の親にリベース
jj rebase -d target-branch
# コンフリクト発生時
jj resolve # または手動編集
コンフリクト解決
対話的解決(推奨):
jj resolve
# インタラクティブなツールが起動
# 各コンフリクトを選択して解決
手動解決:
# コンフリクトファイルを編集
vim README.md
# 解決後は通常通りコミット
jj commit -m "conflict resolved"
エイリアス活用
既存のjj設定エイリアスを優先使用:
| エイリアス | 実コマンド | 用途 |
|---|---|---|
bcp |
bookmark create -r @- |
最重要: コミット後にブックマーク作成 |
nb |
new main |
mainから新規作業開始 |
rs |
resolve |
コンフリクト解決 |
n |
new |
新規コミット作成 |
c |
commit |
コミット |
l |
log |
ログ表示 |
ll |
log --limit 10 |
直近10件 |
st |
status |
ステータス確認 |
co |
edit |
別コミットに移動 |
例:
jj nb # mainから開始
# ... 開発 ...
jj c -m "実装完了"
jj bcp my-feature # ブックマーク作成
禁止事項・エラー回避
絶対に使わないコマンド
❌ jj edit root()
- 理由: rootコミットはimmutable
- 代替:
jj new 'root()'
❌ jj merge
- 理由: このコマンドは存在しない
- 代替:
jj new parent1 parent2
❌ jj branch
- 理由: 古いコマンド
- 代替:
jj bookmark
避けるべき操作
❌ 空コミットにブックマークを付ける
# 悪い例
jj new main
jj bookmark create my-feature # Warning: Target revision is empty.
✅ 正しい方法
jj new main
# ... 開発 ...
jj commit -m "実装"
jj bookmark create my-feature -r '@-'
❌ リモートブックマークを直接編集
# 悪い例
jj edit main # Error: Commit XXX is immutable (main@origin が存在)
✅ 正しい方法
jj new main # mainから新しいコミットを作成
エラー時の対処法
Jujutsu基本エラー
Error: Commit XXX is immutable
- 原因: リモートと同期されたコミットは変更不可
- 対処:
jj new <target>で新規コミット作成
Warning: Target revision is empty
- 原因: 変更がないコミットにブックマークを作成しようとした
- 対処:
jj commitしてからjj bookmark create -r '@-'
Error: There are unresolved conflicts
- 対処:
jj resolveまたは手動編集後jj commit
GitHub統合エラー
Error: could not read Username for 'https://github.com'
- 原因: Git credential helperが未設定
- 対処:
# ⚠️ AIエージェントは実行しません。ユーザーが手動で実行してください。 # Cursor内のターミナルまたは通常のターミナルアプリで実行 gh auth login gh auth setup-git # 必須
Error: could not determine the current branch
- 原因: JujutsuはGitの
.git/HEADを更新しない - 対処:
gh pr createに--headと--baseを明示的に指定gh pr create --head feature-name --base main
Error: Refusing to create new remote bookmark
- 原因: 新規ブックマークの安全機構
- 対処:
--allow-newフラグを追加jj git push --bookmark feature-name --allow-new
操作ミス全般
操作ミス全般
# 直前の操作を取り消し
jj op undo
# 操作履歴を確認
jj op log
# 特定の操作時点に戻る
jj op restore <operation-id>
推奨ワークフロー例
シナリオ1: 新機能開発(チーム開発)
# 1. mainから開始
jj new main
# 2. 開発作業
vim src/feature.rs
vim tests/test_feature.rs
# 3. コミット
jj commit -m "feat: ユーザー認証機能を実装"
# 4. ブックマーク作成(PR用)
jj bookmark create feature/user-auth -r '@-'
# 5. プッシュとPR作成(ユーザーが実行)
# jj git push --bookmark feature/user-auth --allow-new
# gh pr create --head feature/user-auth --base main \
# --title "ユーザー認証機能" --body "詳細説明"
シナリオ2: バグ修正
jj new main
vim src/login.rs
jj commit -m "fix: ログイン時のnullポインタエラーを修正"
jj bookmark create fix/login-bug -r '@-'
# ユーザーが実行: jj git push --bookmark fix/login-bug --allow-new
# ユーザーが実行: gh pr create --head fix/login-bug --base main
シナリオ3: 個人実験(ブックマーク不要)
# 1. 実験開始
jj new main
# 2-4. 何度も試行錯誤
vim src/experimental.rs
jj commit -m "試行1"
vim src/experimental.rs
jj commit -m "試行2"
vim src/experimental.rs
jj commit -m "試行3 - うまくいった!"
# 5. 成功したらブックマーク付与
jj bookmark create experiment-success -r '@-'
# または失敗したら破棄
jj abandon @
シナリオ4: 複数ブランチのマージ
# 1. 2つのブランチを確認
jj log
# 2. マージコミット作成
jj new feature-a feature-b
# 3. コンフリクト確認
jj status
# Warning: There are unresolved conflicts at these paths:
# README.md 2-sided conflict
# 4. 対話的解決
jj resolve
# 5. コミット
jj commit -m "merge: feature-aとfeature-bを統合"
# 6. ブックマーク作成
jj bookmark create merged-features -r '@-'
シナリオ5: リベース
# 1. 現在の状態確認
jj log
# 2. feature-branchをmainの最新にリベース
jj rebase -d main -s feature-branch
# 3. コンフリクトがあれば解決
jj resolve
# 4. 結果確認
jj log
重要な心構え
Change IDで追跡、名前は後から
- Jujutsuの核心的な考え方
- 作業中は自由に、共有時にブックマーク
失敗を恐れない
jj op undoでいつでも戻れる- すべての操作が記録される
ブックマークは「名札」
- コミットの本質ではない
- 必要な時だけ付ける
コンフリクトは自然なもの
- 並行開発の証
jj resolveで落ち着いて対処
開発フロー判断基準
個人開発フロー(ブックマーク最小限)を使う場合:
- ローカルでの実験
- プロトタイピング
- アイデアの試行錯誤
- 自分だけが見るコード
チーム開発フロー(ブックマーク使用)を使う場合:
- PR作成予定
- チームメンバーと共有
- レビューが必要
- 本番環境への反映予定
迷ったら、まずブックマークなしで始めて、必要になったら付けるのがJujutsu流です。